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2020年07月02日

自然災害や感染症など緊急事態下でも生き抜く会社・事業所になるために何をすべきか | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

新型コロナや大型台風など、緊急事態への備えは十分ですか?


近年、新型コロナウイルスの感染拡大、台風などの自然災害の発生など、「緊急事態」がしばしば起こっています。

2019年は、9月に台風15号による暴風、10月に台風19号による大規模な水害により、広範囲に被害が出ました。
この被害により、建物が使用不能になった介護施設や事業所、長期間の変則的な運営、あるいは休業を余儀なくされた施設や事業所もありました。

そして、2020年は新型コロナウイルス感染拡大により、介護業界でも事業運営に様々な影響が出ています。

最近は、長野や千葉などで地震が頻発しているのも気になります。東南海や首都圏では、そう遠くない将来、大規模地震の発生があると言われています。
「緊急事態」は、また起こるかもしれません。

「緊急事態」が起きても冷静に対処するには、いざという時の対応を決めておく「危機管理」が重要です。国も、介護事業者を含む中小事業所の経営者にBCP(事業継続計画)の策定を求めています。

BCPとは、中小企業庁によれば、「企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと」を指しています(*1)。

BCPは経営者が策定すべきものですが、職員自身や利用者の命を守るため、現場で働く介護職も知っておくべき重要な問題です。

関連記事:感染者発生に備えて、動線や衛生資材の検討を!【介護現場の新型コロナ対策】

BCPで、緊急時の対応を事前に検討

中小企業庁によると、BCPの策定(入門コース)では、まず「職員・利用者の安全を守る」「経営を維持する」「雇用を守る」など、何のために策定するのか基本方針を定めます。

次に、「震度5以上の大規模地震」「新型ウイルス」など、具体的な「緊急事態」の発生を想定し、それによる影響をイメージします。

そして、「職員が出勤できなくなる」など影響をイメージした上で、事前にとれる対策を検討します。
イメージした影響から、支障が生じると思われる事態をカバーできる代替案を考えることも大切です。

さらに、緊急時に事業を継続できるよう、緊急時対応の内容とその責任者を定めます。
職員・利用者を避難させるのは誰か、初期消火を行うのは誰かなど、なすべきことと責任者を決めておくのです。

こうして策定したBCPは、研修等によって職員が共有し、必要に応じて見直していきます。

関連記事:「介護×防災セミナー」レポート~災害時に、自信を持って行動するために!

介護現場の資源は“人材”。従業員の安全確保が重要


このBCP、内閣府防災担当によって直近に行われた「平成29年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」では、大企業では6割強が策定しているものの、中堅企業での策定は3割弱に留まっています。

BCPの記載項目として、最も多いのは、「従業員の安全確保」で9割を超えています。
その他、7割以上の企業が記載していたのは、「災害対応チーム創設」「水、食料等の備蓄」でした。

実際に役に立った記載項目も、やはり「従業員の安全確保」で96%が「とても役に立った」と回答。「水、食料の備蓄」は90.2%、「災害対応チーム創設」は89.6%が「とても役に立った」と回答しています。

人材が資産である介護事業では、特に「従業員の安全確保」は大切です。そして同時に、利用者の安全確保も達成できる計画を策定する必要があります。

実際に自然災害で被害を受けた企業が、被災後、新たに実施した取組として、中堅企業では、「備蓄品(水、食料、災害用品)の購入・買増し」が19.0%、「避難訓練の開始・見直し」が14.9%、「安否確認や相互連絡のための電子システム(含む災害用アプリ等)導入」が14.8%と続きます。


「いざという時」に困らないよう、事前の準備と計画を


BCPについては、2020年5月に「一般社団法人 人とまちづくり研究所」が実施した、「新型コロナウイルス感染症が介護・高齢者支援に及ぼす影響と現場での取組み・工夫に 関する緊急調査【介護保険サービスを提供する法人調査】」でも取り上げています(*2)。

こちらの調査では、従業員数500人以上の規模の法人では、38.3%がBCPを策定済みなのに対し、49人以下の法人で策定済みなのは17.3%に留まりました。
人員数が少ない小規模法人は、緊急時、機能的に動かなくては事態への対応が難しくなります。緊急事態が起きても、事業を継続できるよう、BCPの策定に取り組んでほしいと思います。

また調査では、感染症に対応した内容となっているかという問いに対して、過半数が「感染症に対応しているが、十分ではない」と回答しています。

今回のような新型ウイルスの世界的な感染爆発を想定することは難しいものです。しかし今後はこの経験をもとに、しっかりと対策を考えていく必要があります。

誰でも、想定していない事態が起きたとき、何の備えもなしに適切に対応することはできません。
だからこそ、こうした計画を策定、共有し、訓練を通して身につけていくことが大切なのです。

<文:介護福祉ライター・社会福祉士・公認心理師・臨床心理士 宮下公美子

*1 中小企業BCP策定運用指針~緊急事態を生き抜くために~(中小企業庁)

*2 新型コロナウイルス感染症が介護・高齢者支援に及ぼす影響と現場での取組み・工夫に関する緊急調査【介護保険サービスを提供する法人調査】調査結果報告書(一般社団法人 人とまちづくり研究所 2020年6月2日)

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