2025年12月11日
「第19回日本介護支援専門員協会20周年記念全国大会」の初日に行われた記念講演「最期まで地域で輝いて生ききるために〜地域を育む介護支援専門員と共に歩む〜」では、マギーズ東京共同代表理事・秋山正子氏が、夫を在宅で看取った粟生田明子さんとともに登壇。当事者の意思決定を支えるケアマネジャーの役割について、実例をもとに語った。
粟生田さんの夫(当時60代)は肺がんを患い、骨転移を経てステージ4へ進行した。急激な病状悪化による下半身麻痺で緊急入院。その後、緩和ケア病棟へ転院した。粟生田さんは要介護5の実母を在宅で介護しており、ダブルケアのさなかにあった。家族の負担を案じた夫は当初、緩和ケア病棟での看取りを希望していたが、一時外泊を機に「家に帰りたい」と心情を吐露。この希望を支えたのが、実母を担当し、信頼を寄せていたケアマネジャーだった。
夫の意思決定を受け、ケアマネジャーは迅速に動いた。決断してから退院までわずか5日間。訪問診療、訪問看護、訪問介護など多職種によるチームは「あっという間に構築されていった」といい、夫を支える連携体制は瞬く間に整った。
在宅復帰後の夫の変化について「劇的だった」と粟生田さんは振り返る。入院中は食欲不振だったが、帰宅直後から好物を次々求め、家族団らんの中で食事を楽しむまでに一時は回復。「病院では『患者』だった夫が、家に戻ることで『夫』としての尊厳を取り戻した。家族もケアチームの一員として参加できたことが嬉しかった」(粟生田さん)。
「私たち家族が主体性と尊厳を取り戻す旅路でした」。夫が緩和ケア病棟へ移り、そして自宅で最期を迎えた4カ月間を、粟生田さんはそう述懐した。ケアが必要になると、当事者は周囲への申し訳なさや、管理されることによる「他人に支配されている感覚」を抱きがちだ。
「しかし、担当のケアマネさんは、夫のプライドに深く配慮し、『自分の人生だから、思い通りにしていいんだ』と自ら思えるように導いてくれました」。提案はするが、決して押し付けない。話を聴き、選択肢を示して、本人の決定を待つ――。その寄り添い方をたたえた。「自宅に戻ってからはまさにワンチーム。ケアマネさんは『司令塔』として本当に尽力してくれた」。感謝の言葉で締めくくると、会場から粟生田さんへ温かい拍手が送られた。
秋山氏は「『本人がどうしたいのか』という意思決定支援が最も重要でありながら、現場では置き去りにされがちだ」と指摘。その上で、「その人の人生に敬意を払い、歴史や物語(ナラティブ)を深く聴くこと。それは、ケアマネジャー自身も豊かにし、仕事に潤いをもたらす」と呼びかけ、講演を結んだ。
登壇した秋山氏(左)と粟生田さん
秋山氏は講演の中で、看取りにおける費用面についても言及した。粟生田さんの場合、緩和ケア病棟では個室しか空きがなく月額換算で約82万円かかったが、在宅では約37万円に抑えられた。秋山氏は「在宅での看取りは費用がかさむと思われがちだが、病院よりもコストが抑えられるケースは少なくない」とし、ケアマネジメントにも経済的な視点が欠かせないと強調した。
<シルバー産業新聞 2025年12月10日号(5面)>
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