履歴書の疑問「同じ法人の別施設に異動経験あり。職歴はどう書くの?」
転職活動を始めたところですが、履歴書の職歴の書き方で迷っています。
実は、現在勤めているのは老人保健施設ですが、3年前に入職したときは同じ法人が運営するグループホームへの配属でした。途中、法人内で異動があったのです。
転職ではなく、運営する法人はずっと同じです。このような異動歴についてどう書けば良いでしょうか。
異動歴も大切な職歴情報。転職との区別をはっきりと
転職だけでなく、異動の履歴も職歴のひとつ。
同じ法人内で複数回の異動歴がある場合も、勤務していた期間が短いものでも省かずに、基本的にはすべて書いてください。
転職ではなく異動であることがわかるように、「同法人」「同社」などの言葉を記載しましょう。
また、異動先の施設名のあとに「異動」という言葉をつければ、転職との区別がつきやすいでしょう。
在籍した施設形態やサービス形態がわかる名称のほか、役職や担当業務も書き添えると、あなたのキャリアが採用担当者に伝わりやすくなります。
以下に、ケース別の職歴の書き方を文例としてご紹介しますので、参考にしてみてください。
<記入例>
●法人内で異なる施設形態への異動の場合
平成○年○月 社会福祉法人○○ グループホーム△△△△ 入職
介護士として介護業務全般に従事
平成○年○月 同法人 老人保健施設○○○に異動
介護業務全般に従事のほか、フロアリーダーとしてスタッフの取りまとめを担当
●法人内で複数回の異動の場合
平成○年○月 ○○○株式会社 入社 介護付き有料老人ホーム△△△△に配属
介護士として介護業務全般に従事
平成○年○月 同社 グループホーム○○○に異動
介護業務全般に従事のほか、フロアリーダーとしてスタッフの取りまとめを担当
平成○年○月 同社 デイサービス□□□に異動
管理者として介護業務全般およびマネジメントに従事
なお異動が多く、履歴書には書ききれない場合は、具体的な仕事内容の説明は省き、職務経歴書に詳しく記載するとよいでしょう。
職歴を書くときの注意点
職歴を記載する際に気をつけたい点をあげておきます。
●法人名を正式名称で書く
法人の種類を(株)のように括弧書きで書くことがありますが、履歴書においてはNGです。
介護施設を運営する主な法人としては次のようなものがありますが、記載する際は必ず右の正式名称を使ってください。
(株)→ 株式会社
(医)→ 医療法人
(社)→ 社会福祉法人
括弧書きとは違いますが、知らず知らずのうちに使っている略称に
「NPO法人」があります。NPO法人の正式名称は、
「特定非営利活動法人」なので注意してください。
●施設形態も正式名称で書く
たとえば「特養」のように、日常的に施設形態の種類を略して呼んでいませんか?
ついうっかり、履歴書にもそのまま書いてしまいがちなので注意してください。
以下に、日常的に使っている略称と正式名称を列記しておきました。履歴書に書く際は、右の正式名称を書いてください。
特養 → 特別養護老人ホーム
有老 → 有料老人ホーム
老健 → 介護老人保健施設
サ高住 → サービス付き高齢者向け住宅
デイ → デイサービス
●配属と異動
入社したときの施設へは「配属」、そこから移った施設へは「異動」という言葉を使いましょう。
異動はアピールポイントになる?
異動の履歴が示すのは、多くの経験を積んできたという実績です。
とくに介護士の仕事は、勤務していた施設形態やサービス形態によって、求められるスキルや役割が違ってきます。
そのため
異なる施設を経験した実績により、経験の豊富さ、スキルの幅広さをアピールできます。
ですから職歴を書く際も、異動歴は大事にするべきですし、用紙のスペースが許す限り、しっかりと記載してください。また、異動による成長やキャリアアップがわかるように、業務内容や役職も記載すると良いでしょう。
逆に、同じ法人内で何度も異動していたりすると、悪い印象を与えることはあるのでしょうか?
「どの施設にも定着せず、たらい回しにされているのか?」と感じてしまうような異動の多さであれば別ですが、通常は異動したことが悪い印象を与えることはありません。
ただ、異動回数が多いことで印象が悪くなるのではと心配な方は、異動がスキルアップやキャリアアップにつながっていると理解してもらえるよう、職務経歴書に詳しく業務内容を記載し、面接でも異動による成長にスポットを当ててアピールすると良いでしょう。
志望動機で異動をアピールするポイントは?
職歴欄で豊富な施設経験があることを伝えたならば、さらに志望動機で採用担当者の興味を惹きつけましょう。
まずは、異動歴によってアピールできるポイントを整理しましょう。
転職希望先の介護施設が、これまでに経験したことのある施設形態、サービス形態であれば、その経験や即戦力をアピールできます。またスキル面だけではなく、複数の施設を経験したことにより介護への理解が深まったこと、異なる施設でどのように仕事のやり方に工夫を重ねてきたかなどを説明すれば、好印象を与えることができるでしょう。
志望動機は、そうしたアピールポイントをいかに「動機」に結びつけるかが肝心です。
複数の施設での経験を通してどういうことに関心を持ち、それで
応募先の施設でどう活躍したいと思ったのか。
どういう経験を活かして、貢献できると考えているのか。
ストーリーを頭の中で作ってから、実際の志望動機の文章に落とし込んでいくと良いでしょう。
<異動の経歴をアピール!志望動機例文>
老人保健施設で3年間勤めたのち、デイサービスで2年間勤務しています。この間、私が感じたのは、ご利用者様がご自宅で少しでも自立できるようサポートする仕事の重要さです。これまで5年間、自分で積極的に学んできたのが「介護予防」についてで、それにはレクリエーションの力が大きいことを実感しています。貴社の施設では、自立支援に非常に力を入れていると聞いております。貴社が行っている介護予防や身体機能の維持のためのレクリエーション活動にとても興味を持ち、ぜひ私の経験を活かし、そうした活動に貢献させていただきたいと応募いたしました。
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