障害がある子どもを支え、児童発達支援の現場のリーダーとなる児童発達支援管理責任者（児発管）。その給料はどのくらいでしょうか？
この記事では、児童発達支援管理責任者の給料を「働く施設」や「他の職種」と比較しながら解説します。
給料アップを目指す方法も紹介するため、児童発達支援管理責任者を目指す方・現役で働いている方はぜひご覧ください。
目次
1 児童発達支援管理責任者の平均年収
2 サービス種類別の給料比較
3 他の職種との給料比較
4 児童発達支援管理責任者が給料を上げる方法
5 まとめ
令和4年度の児童発達支援管理責任者の平均給与（特定処遇改善加算届出事業所における常勤の場合）は下記の通りです。
| 平均月給 | 平均年収 （平均月給×12で算出） |
|---|---|
| 371,320円 （昨年＋18,890円） |
4,455,840円 （昨年＋226,680円） |
出典：厚生労働省「令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」
| ※介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士又は保育士の資格を有する者・心理指導担当職員・サービス管理責任者・サービス提供責任者を含む |
また、介護求人ナビに掲載している求人データ（2024年3月時点）によると、児童発達支援管理責任者の平均年収は331万円。
これらのことから、勤務先の条件や施設形態などによって異なりますが、児童発達支援管理責任者の年収はおおよそ300万～500万円程度になると考えられます。
「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、日本国内における一般労働者の平均月給は311,800円。年収に換算して約370万円です。
児童発達支援管理責任者の平均年収は、職種全体の平均額と同程度かやや高いといえるでしょう。
児童発達支援管理責任者の平均給与を施設・サービス種類ごとに比較すると下記の通りです。
| 施設 | 平均月給 | 平均年収 （平均月給×12） |
|
放課後等デイサービス |
329,390円 | 3,952,680円 |
|
児童発達支援 |
352,070円 | 4,224,840円 |
| 医療型児童発達支援 | 390,380円 | 4,684,560円 |
|
保育所等訪問支援 |
369,380円 | 4,432,560円 |
| 居宅訪問型児童発達支援 | 417,790円 | 5,013,480円 |
|
福祉型障害児入所施設 |
449,330円 | 5,391,960円 |
|
医療型障害児入所施設 |
447,150円 | 5,365,800円 |
出典：厚生労働省「令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」
| ※介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士又は保育士の資格を有する者・心理指導担当職員・サービス管理責任者・サービス提供責任者を含む |
各施設・サービスの特徴は下記の通りです。
＜放課後等デイサービス＞
障害がある児童が放課後や長期休暇中に通う施設。
放課後の居場所を作るとともに、社会との交流を促し生活能力を上げる訓練を行う。
＜児童発達支援センター＞
障害がある小学校就学前の子どもが通う施設。
集団生活に適応するための訓練・日常生活での基本的な動作の指導・知識技能の付与などを行う。
＜医療型児童発達支援センター＞
障害がある小学校就学前の子どもが通う施設。
知識技能の付与・日常生活の基本的動作の指導のほか、理学療法や作業療法などの機能訓練や治療を行う。
＜保育所等訪問支援＞
保育所や幼稚園などに訪問し、障害がある児童への支援を行うサービス。
集団生活を行う障害児に対する支援や、訪問先の職員へ助言を行う。
＜居宅訪問型児童発達支援＞
重度の障害などの影響で通所が難しい児童への支援を行うサービス。
外出が難しい障害児のいる家庭を訪問し、日常生活に必要な動作の指導や生活能力の向上のための発達支援を実施する。
＜福祉型障害児入所施設＞
家庭での療養が困難な障害がある児童が入所して生活する施設。
児童が安心して過ごせる環境で、日常生活の指導や知識技能の付与などを行う。
＜医療型障害児入所施設＞
障害がある児童が教育や治療を受けられる施設。
日常生活指導や知識技能の付与を行うとともに、疾病に対する治療を行う。
施設・サービス別に見ると、福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設、居宅訪問型児童発達支援の給料が特に高く、平均年収500万円以上となっています。
福祉型障害児入所施設や医療型障害児入所施設での日常生活指導や知識技能の付与は、放課後等デイサービスにはない支援です。さらに医療型障害児入所施設では障害児への治療も行われるため、給与が高いと考えられます。
居宅訪問型児童発達支援の給料が高いのは、外出が困難である障害児に対する支援が必要なことが理由として考えられます。障害への専門的な知識が求められるため、給料が高くなりやすいのでしょう。
児童発達支援管理責任者と他の障害福祉関連の職種の給料を比較すると、下記の通りになります。
| 職種 | 平均月給 | 平均年収 （平均月給×12） |
|
児童発達支援管理責任者 |
371,320円 | 4,455,840円 |
|
児童指導員 |
305,130円 | 3,661,560円 |
|
保育士 |
327,820円 | 3,933,840円 |
|
就労支援員 |
310,910円 | 3,730,920円 |
|
ホームヘルパー |
309,690円 | 3,716,280円 |
|
世話人 |
257,250円 | 3,087,000円 |
|
サービス管理責任者 |
387,970円 | 4,655,640円 |
出典：厚生労働省「令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」
児童発達支援管理責任者は、他の職種と比べて給料が高い方であるといえます。
給料が高くなりやすい理由は下記の通りです。
児童発達支援管理責任者の仕事のひとつが個別支援計画の原案作成です。
児童をどのように支援していくか方針を決める重要な計画であり、責任を伴います。
また、児童発達支援管理責任者は職員への指導や助言を行い、職員全体を束ねる立場にあるため、コミュニケーション能力も必要とされます。
責任の重さや必要とされる能力の高さから、給料が高くなりやすい可能性があります。
そのうえ児童発達支援管理責任者になるには何年にも及ぶ実務経験と研修が必要であり、従事するハードルは高いです。
一方で児童発達支援施設では児童発達支援管理責任者を施設に1人以上配置しなければなりません。
児童発達支援管理責任者の需要が高まり、さらに給料が高くなっているのです。
児童発達支援管理責任者の給料を上げる方法には下記があります。
児童発達支援管理責任者の平均給料は日本国内の平均額と同じくらいですが、これらの方法によりさらに給料アップが期待できます。
ここでは、児童発達支援管理責任者が給料を上げる方法について解説します。
仕事で成果を残すと給料アップにつながります。
児童発達支援管理責任者として知識を深めて経験を積み、児童や保護者、職員に認められる成果を残すと、評価が上がり自然と昇給していくでしょう。
事業所のニーズに合わせた資格を取得するのも一つの方法です。
資格を取得し幅広い業務に対応できるようになると、施設になくてはならない存在となり、給料を高くしてでも確保したいと思われるでしょう。
施設や事業所で支援する児童に医療ケアが必要な子どもが多いなら介護福祉士や看護師、精神に障害のある子どもが多いなら精神保健福祉士の資格を取得するなど、施設に合わせた資格の取得に挑戦してみてください。
今の職場で給料アップが見込めない場合、給与などの条件が良い事業所への転職も視野に入れましょう。
児童発達支援管理責任者は将来性があり、今後も求められる職業です。
必要とされる職場に転職することで、待遇を改善できる可能性があります。
児童発達支援管理責任者の給料は、国内の平均賃金額と同程度かやや高いです。
医療型障害児入所施設や居宅訪問型児童発達支援など、携わる施設やサービスによっては年収500万円以上をもらえる可能性も十分にあります。
今よりさらに給料を上げるには、仕事で成果を残したり資格を取得したりするとよいでしょう。
もし現在の職場で給料が上がらない・評価してもらえない場合は、転職を視野に入れることもおすすめします。
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■児童発達支援管理責任者（児発管）とは？仕事内容や働く場所、なり方を解説
■児発管からサビ管になるには？業務の違いや必要な資格・実務経験は？
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