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2024年02月29日

介護職への転職インタビュー:人材派遣の営業から有料老人ホーム介護職員へ

もともと人材派遣の営業をしていたKさん。介護士になったきっかけや転職後の苦労など、リアルな体験談をお話いただきました。

介護士に転職したKさんにインタビュー

▲お話を伺った介護士のKさん

Kさん(30代前半・男性)

【前職:人材派遣】
・勤続年数 1年半
・雇用形態 正社員
・給料 額面約25万円/月、ボーナスなし
・勤務 9:00~18:00 土日休み

【現職:有料老人ホーム介護職員】
・勤続年数 2年
・雇用形態 正職員
・給料 額面25万円/月(夜勤手当3回)、ボーナス30万円×2回
・勤務 8:30~17:30 週2回休み

人材派遣の営業から介護士に転職

■転職後、どんな仕事をしていますか?

有料老人ホームで介護職員をしています。
起床後のケア、排泄介助、食事介助、入浴介助などを行います。
居室担当制をとっているので、担当の利用者さんの日々の変化を見守り、要望を伺ったりしています。

■仕事のスケジュールを教えてください。

仕事のスケジュール

07:50 夜勤からの申し送り
08:30 朝食の食事介助、排泄介助 
10:00 入浴介助、昼食の見守り
13:00 休憩
14:00 早番の手伝い、フロア見守り
14:30 おやつの配膳
16:30 夕食の介助
17:30 記録して退社

■以前はどんな仕事をしていましたか?

大きな企業は障害者雇用の義務があるのですが、そうした会社に障害のある方を派遣し、直雇用につなげるような人材コンサルティングをしていました。給料はあまり高くなかったですが、やりがいのある仕事でした。

転職のきっかけは祖母の認知症

■介護職に転職したきっかけは?

仕事に不満はなかったのですが、どうしても中国に留学したくて。休職を願い出ましたがそれが叶わず、やむなく退職して、中国に向かったのです。

しかし、中国での勉学中に同居していた祖母の認知症がすすみ、施設に入ることになりました。

私には母がいなかったので祖母がずっと母代わり。その祖母がそんな状態になったことが大変ショックで、介護に関心を持つようになりました。

中国にいる間に介護関係のオンライン講座を受け、帰国後はハローワークで介護職員初任者研修を受講し、介護業界で仕事をしようと決心しました。

転職のきっかけ

未経験で転職して挫折も経験した

■介護職としての仕事に不安はありませんでしたか?

介護業界に入ってすぐの訪問介護事業所では、未熟なのに妙な自信があり、「自分は介護業界で立派な専門職になれるのだ」と過信して意気揚々と仕事に取り組みました。

が、知識や経験が伴わず、ケアレスミスを連発。自分の力のなさを痛感してすぐに辞めてしまいました。

仕事への自信を失っていたところ、知人が「利用者さんと1対1になる訪問介護より、先輩にいつでも質問できる施設介護のほうが向いているんじゃない?」とアドバイスをくれて、有料老人ホームに転職することを決めました。

そのときのほうが緊張しましたね。もう失敗はできないという気持ちで、不安感が強かったです。

有料老人ホームへ転職を決意

■転職後、その不安は解消されましたか?

当時は最初のヘルパーのときの失敗がトラウマになっていて仕事に自信が持てず、萎縮していたと思います。ケアに積極的に取り組めず、一人前になるのに時間がかかりました。

でも、施設介護だとわからないこと、不安なことはすぐにきける環境で、やはり自分には安心でした。

上司や先輩も根気強く教えてくれ、1年を過ぎるころにはだんだん自信を持てるようになりました。

転職前に研修やセミナーを受講

■転職する前に準備したことはありますか?

中国にいるときには、「日本に帰ったら祖母の介護もしてあげたい」と思っていたので、介護について学べるセミナーなどをオンラインで受講しました。有料でしたが、何もわからなかったので非常に勉強になり、有意義だと感じました。

帰国後の介護職員初任者研修は、ヘルパーをするには必須だったので、受講しました。こちらは実技なども学べてとても役立ちました。

■それはうまくいきましたか?

研修で戸惑うことはあまりなかったですね。ハローワークでは初任者研修を修了したらすぐに仕事を紹介してもらえました。

介護業界で視野が広がった

■介護業界に転職してよかったことは?

看取りを経験したことです。
利用者さんの最期の介護をさせていただいて、その方の人生を思うと同時に、自分にとっての人生もまた考えさせられました。

人生を十分に楽しまれ、「もうあとは悔いることはないわ」と言って穏やかに逝去された方を身近で拝見すると、その生き方のすばらしさに感動します。自分も後悔しない人生を送りたいと心から思うようになりました。

利用者さんが亡くなった後のカンファレンスでも、上司に「生きているときにやりたいこと、やるべきことを精一杯やれば後悔のない人生になる」と言われ、本当にそうだといつも感じています。

転職後の人生観

また、その後に同じ法人でデイサービスに異動になったのですが、実際に職員として勤務してみて、デイサービスのイメージがガラリと変わりました。

塗り絵や体操など、提供しているサービスにおもしろいと感じてくださっているのか疑問だったのですが、みなさん在宅生活を継続するために、一生懸命に取り組み、楽しんでいます。

独居の方などは、家にいたらだれとも話さず、何もせずぼんやり過ごしている方も多いのです。そうなると認知症もすすみがちで、口を開く機会が少ないと嚥下状態も悪くなりがちです。

「ここに来て元気になったわ」とおっしゃり喜んでくださる姿を見て、デイサービスの意義を深く感じます。

また、デイサービスの場合、我々は、利用者さんをサポートするというより、仲間として接して、利用者さんの「人と関わりたい」という気持ちを満足させる存在になるのがよいのだなと思うようになりました。

高齢者といっても65歳くらいの若い方から100歳を超える方までいらっしゃるし、介護職も若い人から定年をすぎてこの業界に入ってくる人など、本当に多様な人たちが集まっています。そういう意味でも視野が広がる仕事だなと思います。

前職のスキルは介護職にも役立つ

■これまでの経験やスキルで転職後に役立ったことはありますか?

人材派遣の仕事も、人の人生を預かる仕事でした。その方によりよい人生を送っていただくためには自分が相手のことを一生懸命に考えること、その人の思いを傾聴することが大事だと感じており、介護の仕事に就いたときにも共通すると思いました。

また、同僚や先輩に対していわゆる報・連・相をしっかりすることが大事だということも、前職で学びました。

転職後に役立ったスキル

次の目標はケアマネジャー取得!

■今後の目標を教えてください。

ケアマネジャーの資格を取得することです。介護福祉士は2年前に取得したので、次のステップとしてぜひ取りたいと思っています。

自分は現場が好きなので、ケアマネジャーの仕事がしたいかといわれるとそれほどでもないのですが、資格取得のために学ぶことで介護職としてのステップアップにつながります。あと3年を目処に挑戦したいと考えています。

取材・文:三輪 泉

社会福祉士、介護職員初任者研修、福祉住環境コーディネーター2級。
約30年前よりファッションや芸能、子育て、教育などを中心にライターとして活動。2012年、親の介護を機に社会福祉士国家資格を取得し、高齢者介護・医療・健康分野でのライターとしても活躍中。
現在は、法定成年後見人として支援が必要な方の財産管理や身上監護も行う。
介護、医療、教育、子育てなどのテーマを中心にWEB雑誌・書籍などの記事執筆を多数担当。

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