医療ソーシャルワーカーとして働くとき、気になるのが年収です。医療業界の他の職種や相談支援業務を行う他の職種と比べたとき、年収は高いのでしょうか？この記事では医療ソーシャルワーカーの平均年収や他の職種との比較、年収を上げる方法を解説します。
目次
1 医療ソーシャルワーカーの平均年収
【年齢別】医療ソーシャルワーカーの平均年収
2 医療ソーシャルワーカーは他の職種の年収より高い？
3 医療ソーシャルワーカーの年収は今後どうなる？
4 医療ソーシャルワーカーが年収アップするには
5 医療ソーシャルワーカーは今後も年収アップが期待できます
厚生労働省が提供している職業情報サイトjobtagによると、2022年の医療ソーシャルワーカーの平均年収は4,058,000円でした。
一方、賃金構造基本統計調査によると、日本国内における一般労働者の平均月給は311,800円、年収に換算すると3,741,600円です。
このことより、医療ソーシャルワーカーの平均年収は日本国内でも高い方であると考えられます。
年齢別の医療ソーシャルワーカーの平均年収は下記の通りです。
| 年齢 | 平均年収 |
| 20～24歳 | 2,556,000円 |
| 25～29歳 | 2,886,100円 |
| 30～34歳 | 3,698,800円 |
| 35～39歳 | 4,008,500円 |
| 40～44歳 | 4,109,300円 |
| 45～49歳 | 4,328,500円 |
| 50～54歳 | 4,116,600円 |
| 55～59歳 | 4,150,600円 |
| 60～64歳 | 3,851,800円 |
| 65～69歳 | 3,578,200円 |
| 70歳～ | 3,415,900円 |
医療ソーシャルワーカーの年収は、年齢に応じて徐々に増えていく傾向にあります。
年齢を重ねるにつれ管理職など責任のある役職を任されるため、給料が増加していくと考えられます。
45～49歳の4,328,500円をピークに、その後は徐々に減少していきます。
定年である65歳以上でも再就職すれば一定の収入が得られるため、安定した職種といえるでしょう。
医療ソーシャルワーカーと似ている職種や、同じ職場で働くことのある職種の平均年収は下記の通りです。
| 職種 | 平均年収 |
|
医療ソーシャルワーカー |
4,058,000円 |
|
生活相談員 |
4,157,000円 |
|
ケアマネジャー |
4,058,000円 |
|
保健師 |
4,813,000円 |
|
看護師 |
5,081,000円 |
出典：job tag「生活相談員」「介護支援専門員（ケアマネジャー）」「保健師」「看護師」
医療ソーシャルワーカーと似た職種に生活相談員とケアマネジャーがあります。
生活相談員とは介護施設で利用者や家族を対象に相談対応を行い、関係各所との連携・調整を行う職種です。
ケアマネジャーは要支援・要介護者や家族を対象に相談対応を行い、適切な介護サービスを受けられるよう支援する職種です。
平均年収は医療ソーシャルワーカーとケアマネジャーは同等ですが、生活相談員と比べると10万円程度低くなっています。
生活相談員は社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格のいずれかが必要となるため、その分年収が高くなっているのでしょう。
生活相談員について詳しくはこちら
ケアマネジャーについて詳しくはこちら
医療ソーシャルワーカーと同じ職場で働くことのある職種として、保健師や看護師が挙げられます。
保健師とは地域住民に保健指導や講習会を行い、保健衛生に関する知識の普及を行う職種です。
看護師は、医師の診察に基づき、傷病者の看護を行う職種です。主に病院やクリニックに就業しています。
保健師・看護師の平均年収は医療ソーシャルワーカーよりも高くなっていますが、
理由としては、医療ソーシャルワーカーは必須の国家資格がないのに対し、保健師・看護師は国家資格の取得が必須なことが挙げられます。
医療ソーシャルワーカーの平均年収は、今後、増加が期待できます。
厚生労働省が公開している「令和4年版厚生労働白書」によると、2040年に必要とされる医療・福祉就業者数は1,070万人とされていますが、現時点で確保が見込めているのは974万人です。
また、医療ソーシャルワーカーは患者が抱える経済的・社会的な問題を解決するために必要な存在で、AIによる代替も難しい仕事です。
医療ソーシャルワーカーは今後ますます必要とされるようになり、人員確保のために年収や福利厚生の見直しもされる可能性があります。
医療ソーシャルワーカーの平均年収は日本の平均年収より高い傾向にありますが、下記を実践するとさらに年収アップを目指せます。
ここでは、医療ソーシャルワーカーが年収アップをする方法について解説します。
今の職場で年収アップを目指すのであれば、経験を積みキャリアアップを目指しましょう。
経験を積めば積むほど、任せられる仕事も増えて役職に付きやすくなります。
役職につくと役職手当が付与され、年収アップが期待できます。
また、一般的には勤続年数が増えるにつれ基本給も上がる傾向にあるので、一つの職場で長く務めるのも、年収アップの一つの手です。
医療ソーシャルワーカーとして働く場合、社会福祉士や社会福祉主事任用資格の保有が応募条件になっていることがほとんどですが、なかには実務経験のみでも採用される職場もあります。
特に資格を持たずに医療ソーシャルワーカーとして働き始めた場合、関連する資格を取得すると資格手当がもらえるため、年収アップにつながります。
具体的には、社会福祉士や精神保健福祉士がおすすめです。
ただし、社会福祉士と精神保健福祉士はどちらも国家資格であり、指定された教育機関に通い国家試験を受ける必要があります。
夜間通学が可能な学校もあり、働きながらも取得を目指せますので、年収アップしたい方は検討してみてください。
社会福祉士とは病気や障害などにより日常生活に問題を抱えている方がより良い生活を送れるよう、相談を受けて支援を行うための資格です。具体的には、問題を抱えている方の相談に応じ、活用できる制度やサービスを紹介したり、各機関と相談者の橋渡しを行います。
医療ソーシャルワーカーの仕事に直結する資格ですので、取得することで医療ソーシャルワーカーとして必要な知識の獲得にもつながるでしょう。
精神保健福祉士とは、精神的に障害や病気を抱えている方が社会復帰できるよう、サポートするための資格です。支援制度の紹介や就労先の機関との連携、日常生活の訓練など社会復帰にかかわる幅広い仕事を行います。
医療ソーシャルワーカーは、医療機関に入院・通院している患者の心理的・社会的な悩みを解決するのが仕事であるため、精神保健福祉士の資格を取得するうえで学んだ傾聴スキルや社会福祉制度の知識などを活かせるでしょう。
医療ソーシャルワーカーに関連する資格について詳しく知りたい方はこちら
医療ソーシャルワーカーは未経験からでも働ける職場もありますが、未経験での入職は給料を比較的低く設定されているケースが多いです。そのため、医療ソーシャルワーカーとしての経験を積んでから、経験者を募集している他の施設に転職をすることも一つの手段といえます。
特に公務員として市立病院で働くと、初任給で280,000円以上もらえることも。現在の職場で給料アップが難しい場合、経験者で即戦力として働ける職場への転職を検討してみてください。
思い立ったらすぐ退職する、というのは、あまり得策とは言えません。
転職を決めてもすぐには退職せず、まずは複数の求人情報を比較して希望の職場を見つけましょう。
前職者の穴を補給するときには6・1・2月に、次年度に向け増員するときには11～3月に求人が出ることが多いといわれていますので、こまめに求人情報をチェックしてください。
介護求人ナビでは医療ソーシャルワーカーの求人を資格や休日など条件で絞り込めます。
年収以外にもこだわりたいポイントがある方は活用してみてくださいね。
医療ソーシャルワーカーの平均年収は日本の全職種の平均年収よりも高いです。
一方で、生活相談員や看護師、保健師よりは年収が低いですが、これは必須資格の有無が影響していると考えられます。
関連する資格の取得や経験を積みキャリアアップすることで、医療ソーシャルワーカーも年収アップが目指せます。
今の職場で年収アップが目指せない場合は転職するのも良いかもしれません。
介護求人ナビでは日本全国の医療ソーシャルワーカーの求人を探せますので、転職を検討しているときにご活用ください。
■医療ソーシャルワーカーとは？仕事内容や必要資格、向いている人を解説！
■医療ソーシャルワーカーになるには？必要な資格やスキルを解説
■医療ソーシャルワーカーの年収は高い？他の職種との比較や年収アップの方法を解説
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