介護職の就業先の一つに、グループホームがあります。この記事では、施設の特徴や職員の仕事内容をわかりやすく解説!働くうえで気になる平均給料やメリット・デメリット、転職体験談も紹介します。
目次
■ グループホームとは
■ グループホームの仕事内容
・生活援助(家事のサポート)
・身体介護
・買い物や外出の援助
・レクリエーション
・健康管理
■ グループホームの1日の仕事の流れ
・日勤の場合
・夜勤の場合
■ グループホームで働く介護職の給料
・給料アップを目指すなら?
■ グループホームで働くメリット・デメリット
■ グループホームの仕事に向いている人
■ グループホームに転職した人の体験談
■ グループホームの仕事に関するよくある質問
・グループホームの仕事はきつい?
・グループホームの夜勤の仕事内容は?
■ 認知症の高齢者の日常を支える仕事
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは、認知症の高齢者が必要な支援を受けながら共同生活を送る介護施設です。5~9人の小規模な集まりを1つのユニットとして、顔なじみの方々と家庭的な環境で暮らせる点が特徴です。
グループホームを利用できるのは、認知症の診断を受けた要支援2〜要介護5の高齢者です。日常生活の一部に介助が必要であっても、できる限り自立した暮らしのなかで、他の利用者さんと共に生活します。
そのため、重度の疾患を抱える方や、共同生活を安全に行うことが難しいと判断される方は、入居できないケースがあります。
また、グループホームは医療職の配置が義務付けられていないため、医療行為や看取りには対応していない施設もあります。
グループホームの主な仕事内容は、以下の通りです。
利用者さんが安心して穏やかに暮らせるよう、日常生活で必要な部分を介護職がサポートします。
グループホームでは、利用者さんが日常生活に必要な家事をするなかで、難しい部分を介護職がサポートします。
【家事の例】
●調理
●配膳・下膳
●食器洗い
●掃除
●洗濯、衣類の整理
利用者さん自身ができることを尊重し、共同生活の中で適切な役割を持てるよう働きかけます。そのためには、一人ひとりの生活歴や認知症の症状を理解し、自立支援の視点を持つことが大切です。
利用者さんの心身の状態に応じて、食事・排泄・入浴などの介助を行います。以下は、介護職が担う身体介護の一例です。
●食事介助:見守り、食事動作のサポート
●排泄介助:トイレ誘導、おむつ交換
●入浴介助:見守り、洗身のサポート
●更衣介助:衣類の準備、着替えのサポート
身体介護の頻度や方法は、利用者さん一人ひとりの健康状態や認知症の症状によって異なります。特別養護老人ホームなどと比べて平均的な介護度は低めですが、細やかな観察と対応が求められるでしょう。
グループホームでは、利用者さんと一緒に買い物に出かけたり、散歩や通院に付き添ったりすることもあります。
「スーパーに食材を買いに行く」「近くの公園を散歩する」といった日常的な外出を支援し、その方らしい暮らしの実現を図ります。
なお、外出の頻度や内容は勤務先によって異なるため、職場を選ぶ際に確認しておくとよいでしょう。
レクリエーションの企画・進行も、介護職の仕事のひとつです。グループホームでは、認知症の進行予防や利用者さんの生きがいにつながるよう、以下のようなレクリエーションを実施します。
●体操、ストレッチ
●手芸、工作
●家庭菜園
●脳トレクイズ
●誕生日会、お茶会
●地域の方との交流イベント
利用者さんが心身を健康に保てるよう、認知症の症状に合わせたサポートを行うことが大切です。
利用者さんが安心して生活できるよう、日々の体調変化に気を配ることも、介護職の大切な役割です。看護職の配置状況によっても異なりますが、以下のようなケアを通して健康管理を行います。
●バイタルチェック(体温・血圧・脈拍などの測定)
●服薬介助
●排泄・食事・睡眠状況の確認
●医療機関との連携
グループホームは医療職の配置が義務付けられていない分、より一層アンテナを張って健康状態を把握することが必要です。
看取りに対応している施設では、終末期の利用者さんへのケアも担います。
グループホームの仕事は、早番・日勤・遅番・夜勤などのシフト制で組まれることが一般的です。施設には24時間利用者さんが暮らしているため、夜間帯も介護職員の配置が必須になっています。
【介護従業者の配置基準】
日中:利用者3人に対して1人以上
夜間:ユニットごとに1人以上(施設の構造により例外あり)
出典:厚生労働省「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」
ここでは、日勤と夜勤の仕事のスケジュール例を紹介します。
以下は、日勤の1日のスケジュール例です。なお、施設によって勤務時間やシフトごとの業務分担は異なります。
| 10:00【出勤】 | |
| 10:15 | ・排泄介助 ・バイタル測定、入浴介助 |
| 11:00 | ・レクリエーション |
| 12:00 | ・昼食準備 ・食事、服薬介助 ・口腔ケア |
| 13:00【休憩】 | |
| 14:00 | ・買い物、散歩の付き添い |
| 15:00 | ・おやつの準備 ・利用者さんと洗濯物を畳む |
| 16:00 | ・排泄介助 ・介護記録作成 |
| 17:30 | ・夕食準備 ・食事、服薬介助 |
| 18:30 | ・口腔ケア ・排泄介助 |
| 19:00【退勤】 |
以下は、夜勤のスケジュール例です。なお、施設によって勤務時間や休憩時間の規定は異なります。
| 17:00【出勤】 | |
| 17:15 | ・申し送り |
| 17:30 | ・夕食準備 ・食事、服薬介助 ・口腔ケア |
| 20:00 | ・就寝介助(排泄介助、着替えの支援など) |
| 22:00 | ・消灯 ・定期巡回 ・ナースコール対応 ・排泄介助 |
| 03:00【休憩】 | |
| 06:00 | ・起床介助(更衣介助、整容の支援など) |
| 07:00 | ・朝食準備 ・食事、服薬介助 |
| 08:00 | ・口腔ケア ・排泄介助 |
| 09:30 | ・申し送り |
| 10:00【退勤】 |
グループームで働く介護職の平均給与額は、以下の通りです。
| グループホーム | 介護職全体 | |
| 常勤(月給者) | 302,010円 | 338,200円 |
| 非常勤(時給者) | 144,000円 | 129,880円 |
| 非常勤(日給者) | 145,180円 | 185,670円 |
グループホームの介護職の平均給与は、特別養護老人ホームなど他の介護施設と比べて低い傾向です。入居している利用者さんの介護度が比較的軽く、身体介護の負担が少ないことなどが影響していると考えられます。
グループホームは、資格がなくても就業可能です。(※無資格の場合、認知症介護基礎研修の受講は必須)一方で、資格を取ると資格手当がつき、給与アップにつながる可能性があります。
以下は、グループホームで働く介護職(常勤・月給者)の保有資格別の平均給与額です。
| 保有資格 | 平均給与 |
| 資格なし | 263,290円 |
| 介護職員初任者研修 | 288,740円 |
| 介護福祉士実務者研修 | 290,300円 |
| 介護福祉士 | 315,600円 |
| 介護支援専門員 | 358,900円 |
上位資格になるほど給与も高くなる傾向にあるため、経験を積みながら資格取得を目指すとよいでしょう。
ほかにも、夜勤を積極的にこなすことで夜勤手当による給料アップを狙う方法があります。施設により金額は異なりますが、夜勤1回につき5,000円程度の支給が見込めるでしょう。
以下は、グループホームの夜勤手当(2交替制)の平均支給額です。
| 正規職員 | 非正規職員 | |
| 夜勤手当(平均) | 5,550円 | 5,480円 |
出典:日本医療労働組合連合会「2024年介護施設夜勤実態調査結果」
求人を見る際は、夜勤手当の金額も確認しておくとよいでしょう。
グループホームで働くメリット・デメリットには、以下が挙げられます。
【メリット】
・少人数のアットホームな雰囲気のなかで、認知症ケアにじっくり取り組める
・身体介護の負担が少ない可能性あり
・買い物や外出支援の機会がある
【デメリット】
・認知症ケアのスキルが必要
・夜勤が負担になる可能性あり
・平均給与が他の施設より低い傾向
グループホームでは、少人数のアットホームな空間で介護ができます。 1ユニット5〜9人の利用者さんが生活を共にするため、職員と利用者さんの距離が近く、顔なじみの関係を築きやすいのが特徴です。
大規模な施設に比べて、利用者さんのペースを尊重して日々の暮らしに寄り添いやすい点が魅力と言えるでしょう。
また、厚労省の資料によるとグループホームの平均介護度は2.69と比較的軽く、特養などと比べて身体介護の負担も少ない傾向です。
一方で、認知症介護の経験が少ない方は、身体介護とはまた違ったケアの難しさを感じるかもしれません。
ベッド上のおむつ交換や車いすへの移乗介助など直接的な介助が少ない場合でも、夜勤シフトが身体的な負担になる可能性もあります。
また、他の介護施設と比べて給与水準がやや低めである点も、あらかじめ理解しておきましょう。給料アップを目指すには、資格取得やある程度の夜勤回数が必要な場合があります。
ただし、仕事内容や給与額は就業先によって異なるため、複数のグループホームの求人を比較・検討するとよいでしょう。
以下に当てはまる方は、グループホームの仕事に向いている可能性があります。
・認知症ケアのスキルを磨きたい
・小規模でアットホームな雰囲気が好き
・身体介護の負担を軽減したい
・自立支援の観点を重視する
・買い物や外出の付き添いもしたい
グループホームでは、認知症の利用者さんができる限り自立した日常生活を送れるよう、必要な支援を行います。少人数の家庭的な雰囲気のなか、「じっくり認知症ケアに取り組みたい」という方に向いているでしょう。
また、特養などと比べて平均介護度が低いため、身体介護の負担を抑えたい方にとっても働きやすい可能性があります。
介護職の仕事内容には、身体介護や生活援助だけでなく、買い物・散歩などへの付き添いも含まれます。外出支援にも積極的に取り組みたいという方は、内容や頻度を確認して職場を選ぶと、やりがいを感じやすくなるでしょう。
ここでは、グループホームに転職した介護職の体験談を2つ紹介します。
前職のデイケアの仕事が少しマンネリ化していたとき、介護の求人フェアに参加したUさん(50代・女性)。転職先のグループホームは、行事が盛んで活発な雰囲気だったと言います。
【体験談より一部抜粋】
夜勤は初めてで不安でしたが、ていねいなOJTと見守りセンサーのおかげで「ここでの夜勤ならできそう」と前向きになれました。ホーム長の人柄や考え方もよかったです。「利用者さんを元気にしたい」と心底思っている方で、毎月の外出行事やお茶会を企画するなど、利用者さんが喜ぶ活動に積極的でした。そんなホーム長の方針が施設全体に反映されていて、スタッフも楽しく働ける環境でした。
ホームセンターの販売員から、未経験の介護職に転職したUさん(40代・女性)。残業や力仕事で「体力的に辛い」と感じていた前職を辞め、グループホームでいきいきと働いているそうです。
【体験談より一部抜粋】
もともと年配の方と話すのが好きだったので、今はとても楽しいです。以前の職場では重いし疲れるし、いつも眉間にしわを寄せていましたが、グループホームで働き始めて笑うことが増えました。また、職場の先輩に気軽に相談できる雰囲気があり、とても助かります。ひとりの利用者さんに関する疑問や相談を、フロアにいるスタッフ全体で話し合って解決できるのがいいところだと思います。
ここでは、グループホームへの転職を検討するうえで気になる、以下の疑問に回答します。
グループホームの仕事が「きつい」と感じるかどうかは、人によって異なります。
仕事がつらく感じるケースとしては、以下の理由が考えられます。
・認知症の症状を持つ利用者さんとのコミュニケーションが難しい
・少人数の職員体制で業務負担が大きい
・夜勤に慣れるまで生活リズムが乱れやすい
・医療職がいないとき、緊急時の対応が不安
一方で、認知症ケアを深めたい方や、顔なじみの利用者さんとじっくり向き合いたい方にとっては、やりがいを感じやすい環境と言えます。
グループホームの仕事内容やメリット・デメリットを理解したうえで、自分に合った職場を見極めましょう。
夜勤が担当する主な仕事内容は、以下の通りです。
・就寝準備(着替えのサポート、口腔ケア)
・定期巡回(就寝状況の確認、眠れない利用者さんへの対応)
・ナースコール対応
・排泄介助(おむつ交換、トイレ誘導)
・起床介助(洗面や着替えのサポート)
・朝食準備
・申し送り
夜間は少数の介護職のみで対応する施設も多く、体調変化に気を配り、急変時は速やかに看護師や医療機関と連携する必要があります。
不眠が続く利用者さんに対しては、その方の生活歴や日中の過ごし方を振り返り、適切なアプローチを検討するとよいでしょう。
グループホームの主な仕事内容は、生活援助(家事のサポート)や身体介護、外出支援、レクリエーション、健康管理など。少人数の家庭的な環境で、認知症をもつ高齢者の日常生活を支えます。
認知症ケアに力を入れたい方や、アットホームな雰囲気を好む方は、大規模な施設よりグループホームが向いているかもしれません。転職・就職の際は、複数の施設を比較して自分に合う職場を選ぶことが大切です。
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