◆介護付き有料老人ホーム(派遣社員) → 介護付き有料老人ホーム(正社員/介護福祉士)
O・Fさん(女性・36歳)
●介護付き有料老人ホーム(派遣社員)(勤務期間:1年半/月給手取り約18万円/ボーナスあり)
●介護付き有料老人ホーム(正社員)(勤務期間:3年/月給手取り約25万円/介護福祉士手当・ボーナスあり)
介護業界でのその他経験:療養病床、介護老人保健施設(派遣社員)
保有資格:介護福祉士
家族構成:夫、義母、長男、長女
*O・Fさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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【老人ホームの運営に関わる】日々の介護の中で感じたことを提案
介護職の意見を聞き入れてくれる上司に感謝
採用の面接のときに、「介護のしかたについて、意見をどんどん言ってほしい。その意見を老人ホームの運営に反映したい」と言ってくれたことは、入社後も実行されています。
これまではずっと派遣社員として働いていたので、意見を言える立場ではありませんでした。
今は、私や他の介護職の意見にもしっかりと耳を傾けてくれる上司の姿勢がうれしいですね。感謝しています。
改革案を提案できる介護職を目指す
また、ただ「ここがおかしいと思う」と言うだけでなく、「こうしたらいいのではないか」を、提案できる立場でいたいと思っています。
会社に「変えてほしい」と言うだけでは、「前向きに考えるけれど、できないかもしれない」となってしまいます。わかりやすい改革案を提案できれば、上層部も実行してくれる可能性は高くなると思うのです。
そういう意味で、実行力のある介護職になりたいですね。
【1日の仕事の流れ】日勤の介護職としての仕事内容
仕事としては介護現場での介護職ですが、毎日決まった作業だけをしているというより、日々、利用者さんにとって何をしたらいいのかを深く考えて行動するようにしています。
1日のスケジュールは、おおむね以下のような感じです。
9:00~ 朝礼。夜勤の方々と情報交換をし、利用者さんに継続的に私たちを信頼していただけるよう努めている。また、レクや体操内容についても、介護職全員で共有し、今日の動きを確かめ合う。
10:00~ 利用者さんにお茶を提供。このときに、それぞれの方の体調や気分などをチェックし、一人ひとりにふさわしい対応ができるよう心がける。
11:00~ 昼食の準備。時間がきたら利用者さんの部屋を訪ね、排せつ介助をしたあと、食堂にお連れする。食堂は階下なので、エレベーターを使ってひとりずつ誘導する。
12:00~ 食事介助。昼食後は部屋に誘導し、口腔ケア。
14:00~ 自分の休憩をはさみ、レクリエーションを行う。介護職が交代で内容を考え、日替わりで利用者さんに提供。遊んでいるようで何気なく全身を動かせるような体操や遊びを目指している。
14:30~ おやつの時間。午後はゆっくり過ごす。そばでお話を伺ったり、洗濯物を一緒にたたみながら世間話をしたりする。お昼寝をされる利用者さんは部屋にお連れする。
17:00~ 夕食の準備。利用者さんの部屋に伺い、食堂へお連れする。食事介助をするとあっという間に18時に。
18:00~ 残業は極力しない。けれど、気付いたことがあれば、定時の18時以降でも、その日のうちにホーム長に報告。意見を交換し、問題解決をしようとすると、時間がかかることもあるが、こうした報告と相談の機会は大事にしたいと思っている。
【人手不足の問題】利用者さんのためにももう少し余裕がほしい
どこの老人ホームでも同様なのでしょうが、私が働く有料老人ホームでも、人手不足に悩まされています。
介護職が誰か1人休むと、入浴や食事、排せつなどの介助自体も、非常に手薄になってしまいます。
1人で現場を見ているときこそ、事故が起きやすいので緊張します。
どなたかをトイレにお連れしている間に、別の利用者さんから呼び出しがあることも。利用者さん2人が同時に何かアクションを起こすと、1人で同時に対応することは難しいです。
たとえ事故が起きなくても、利用者さんのお話をゆっくり聞いて過ごす時間が持てないのも悩みです。
もう少し人員配置に余裕があるといいな、と思いますが、なかなか難しいですね。
【研修】会社の研修を充実させたい
派遣で働いていた頃は、自社研修や現場研修はなかなか受けにくい状況でした。
今の職場では、会社が主催する研修などがある点はまだいいかな、と思っています。
しかし、私が自分のお金で受けている外部研修に比べると、介護職として仕事をする上での必要最小限の内容になっている感じですね。
私が介護現場に必要だと思っているケアは、「ユマニチュード」です。高齢者、なかでも認知症の人に有効だとされるケアメソッドです。
「ケアをする人とは何か」「そもそも人とは何か」を問う哲学で、言語・非言語によるコミュニケーション技法に基づく、フランスで生まれたケア方法です。
見る、話す、触れる、立つなど、日常生活の中で当たり前にされるべき行為へのケアが中心になっています。
上層部にもわかってもらい、実際に日々のケアに取り入れられるようにしたいと思っています。
【同じ法人内での異動】成長する企業だからこそ異動がある
今の会社で最初に赴任したのは、隣県にある、自宅からは少し遠い有料老人ホームでした。
ここで、法人の理念や、すすめるケアの方法論などを身に付けながら、1年ほど勤務しました。
その後、「あなたの自宅に少しでも近いところがいいでしょう」と異動を打診され、現在はより自宅に近い施設に勤務しています。
通勤ルートや時間が変わり、生活も変わりましたが、子どもたちはもう高校生で、朝、お弁当を作る時間が変わる程度で、それほど支障はありません。
でも、新しい環境に慣れるのは少し大変でした。
法人が成長しているからこその異動ですから、うれしいことですが、今後も異動があるかもしれないことは、覚悟しています。
最終回の次回は、転職を決めたときのポイントや、介護の仕事のやりがい、将来に向けての展望などを語っていただきます。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
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